糖尿病は自分には関係ないとか思ってませんか?いまや日本人の糖尿病患者は増えています。原因を知っておけば意識的に予防することもできますよね。検査方法や治療法についても紹介します。生活習慣も乱れ、高血圧気味のあなたこそ知っておくべき情報です。

糖尿病の空腹時血糖値検査とは

糖尿病の血液検査を推進する看護師

空腹時血糖値、という言葉をご存知でしょうか。
読んで字のごとく、空腹状態での血糖値を指す言葉なのですが、医学的には食事から3~4時間空けて測定した血糖値、ということになっています。
食事からの時間が短いと食べ物から摂取した糖質由来となる血糖がメインとなってたくさんのグルコースが血中を満たしています。
食事から3~4時間空けることによって健康な人であればすっかり余剰なグルコースは肝臓や筋肉の中にしまわれてしまいます。
空腹時血糖値を測ると多くの場合は基準値である126mg/dl以下、人によっては低血糖なくらいの値を示します。

しかし、インスリンの作用が十全に働かず、細胞内に血糖を取り込む機構が弱い糖尿病患者では空腹時血糖値は基準値である126mg/dlを上回っていることがしばしばあります。
基準値を上回る高血糖が持続していたとしても、本人的には一切自覚症状が無いことが多いため検査による確定が必要です。
余剰の血糖は食事から数時間たっても変わらずに血中を漂い続け、やがて腎臓で濾しとられて体外に排出されます。
この糖でいっぱいの多量尿こそ糖尿病の名前の由来なのです。

検査自体は空腹時に採血を行うだけ、という簡便な検査であり、それに伴う費用もそこまで張るものではありません。
糖尿病の確定診断のためには、血糖値が今現在高くなっていること、そしてその状態が数か月以上続いている所見があること、の2つの項目を満たすことが必要です。
空腹時血糖値は一部のホルモンの作用、食事の内容、肝臓グリコーゲン貯蔵量などで若干左右されますし、血糖値の下がり方には個人差があるためそれだけで糖尿病と言い切ることは出来ません。
しかし、ヘモグロビンA1cや口渇などの症状、糖尿病3大合併症である網膜症、腎症、神経障害のうちいずれかの所見が観察された場合、言い逃れは出来ません。
それらの検査の費用も決して高価なものではありませんので、異常値が現れた時点でまとめて検査することをお勧めします。

糖尿病の主な症状について

糖尿病はその病初期であればほぼ自覚症状などは現れません。
そもそも最初は血糖値が高い、という状態が持続するだけですので、中枢神経が血糖を薄めるために水を欲し口渇を示す以外は特徴的な所見は無いのです。
しかし、糖は実はあまりに多いと体を害する可能性があり、その高血糖に合併する症状の主なものが糖尿病3大合併症と呼ばれています。
それぞれ、網膜症、腎症、神経障害です。

網膜症は網膜の血管が障害されることで網膜に虚血、出血、血流不足域への新しい血管の造成を伴うもので、網膜の構造変化により霧視、白内障、ひどい時には失明を来たします。
しかし、霧視が現れるのは中期以降の網膜症であり、初期から自覚症状を覚える人は少ないため、病院に行って眼底検査を受け初めて明らかになることも多い変化です。

腎症はさらに分かりづらく、腎臓の糸球体にタンパクの塊が沈着する変化を起こすのですが、こちらも自覚症状はなく、尿検査でも陰性所見が並ぶことが多いです。
進行すると尿蛋白などが上がってきますが、腎障害に合併しがちなむくみはそもそも飲水過剰が背景にあるために腎症の存在がマスクされやすかったりするために余程進行しなければ気づかない可能性があります。
そうなったら透析治療も考えなくてはなりません。

神経障害は末梢の細い神経が働かなくなるものです。
特に長い神経の終末端が障害されることが多く、足先の腓腹神経などがよく障害されます。
足の感覚がなくなったり、逆に異常な感覚を示したりするなど、自覚症状の中では比較的訴えることの多いものですが、不可逆変化であるため失われた感覚は戻りません。
気づかないうちに足に傷を負っていた、感染のために切り落とさなければならなくなることも稀にある、侮れない合併症です。